『ローガン』監督、R指定にした利点について語る - 『自由であることに気づいた』

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ヒーロー映画において革命を起こしたR指定作品の『デッドプール』。それに続くようにヒュー・ジャックマン最後のウルヴァリン映画となった『ローガン』もR指定作品として製作・公開されることになった。

直近ではDCコミックス映画の『ジョーカー』もR指定になっていたが、今後もR指定アメコミ映画は一つのジャンルとして大きくなることは間違いないだろう。

そんなR指定について『ローガン』監督はその利点についてコメントをした。

「単に暴力表現を増やしたいだけではなかった」

『ローガン』でメガホンをとったジェームズ・マンゴールド監督は海外メディアのComicbook.comのインタビューに答え、今作をR指定にしたメリットについて明らかにした。

Logan Director James Mangold Explains Advantages of R-Rating

『その機会があったとき、私には自由があることに気づいたし、予算と引き換えにより多くの自由を得ることになった。つまり私はスタジオにR指定にできるのならやりたいと言った。私にとってRにするという決断は単に暴力を増やしたいというだけではなかった。もちろんそれも一部にはありますが。』

ジェームズ・マンゴールド監督は全体的に重いテーマを必要とするような、感情的な動きをキャラクターたちで描こうとしていた。そのためにR指定という選択肢を選んだのだ。

『R指定にすることで映画への理解度も上がっていく可能性があります。シーンはより長くなり、静かなシーンも長くなるかもしれない。テーマはより複雑で大人向けになることもある。もはやハッピーセットを作っているわけではないので、大人の食事を作っているので、すべてを変えることができるのです。』

当たり前ではあるが、R指定映画を作るうえで家族や子供を意識する必要はない。彼らはターゲットにしてないし、そもそも鑑賞することが禁止されている。
そのためより大人に向けたメッセージ性の強いストーリーや、感情の揺れ動きを表現する静かなシーンもふんだんに盛り込むことができた。

『ローガン』でもそのよなシーンはいくつもあり、また他に類を見ない”ヒーローの最期”をテーマにおいたことで、観客に対する理解力も求められている。
これらが功を奏したことで、『ローガン』はX-MENシリーズとして異彩を放ちながら、ヒーロー映画史に残る名作となったのだ。

ジェームズ・マンゴールド監督はR指定映画の製作を決めたことについて、自身が読んできたコミックへの思いも明らかにしている。

『私が育ったコミックへの尊敬は、常に共感できるところでした。青年になった私にとって魅力的なところは、キャラクターたちが子供じみていなかったということでした。彼らがもつロマンスやセクシュアリティ、復讐、哀しみ、心理的障害などのテーマに共感してきました。これらのアイディアはとても興味深く、また以前よりも複雑になって、そして彼らの魅力となった。』

アメコミのヒーローたちの特徴には、普通の人間のような悩みを多く抱えているキャラがいるところだ。有名なところだと、アイアンマンことトニー・スタークや一時期アルコール依存症に悩まされていたときがあった。

ヒーローたちや、時にはヴィランも人間関係や恋人関係、家族や仕事、病気や迫害に悩まされているのだ。こういったことは現実世界の人々対して多くの共感を呼び、同じように感じたのがジェームズ・マンゴールド監督であり、生まれたのが『ローガン』という意欲作だった。

単に激しい表現だけではない、その裏に込められた思いが今作にはたくさんあったのだ。

ちなみにR指定にする際、スタジオからの予算は30%~40%も削減されていたことも明らかになっている。結果的には映画は大ヒットし、第90回アカデミー賞脚色賞ノミネートされるという成績を残すことになった。

これらの監督の想いを感じながら、今一度『ローガン』を見直すのもいいかもれない。

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